結論:コストを重視するならMake、使いやすさならZapier
先に結論を書きます。
これから自動化を始める初心者にはZapier、複雑な処理を安く組みたい人や月のタスク数が多い(1000回以上)人にはMakeがおすすめです。逆に、対応アプリが特殊なマイナーツールを連携させたい場合は、対応アプリ数が圧倒的に多いZapierを選ぶことになります。
2ツールは「対応アプリの広さ vs 価格と複雑処理の柔軟性」というトレードオフ関係にあり、片方を選んで完結するよりも、メイン+補助で併用するケースが現実的です。
料金比較
同じ条件で比較(月1,000タスクまで)
無料プランで比較すると、Zapierは月100タスクまで、Makeは月1,000オペレーションまで使えます。有料の最安プランはZapier Starterが月29.99ドルで月750タスクまで、Make Coreが月10.59ドルで月10,000オペレーションまで。
差はおよそ3倍。Make は圧倒的に安いです。
注意:タスクとオペレーションの違い
- Zapierの「タスク」: 1つのZapが完了すると1タスク
- Makeの「オペレーション」: シナリオ内の各ステップが1オペレーション
例:Gmailから受信 → Slack通知 → スプレッドシート追記、というフロー
- Zapier: 1タスク(Zap 1回)
- Make: 3オペレーション(3ステップ)
つまり数字上の差は3倍でも、実質は同じくらい…ではなく、それでもMakeが2〜3倍お得です。
機能比較
対応アプリ数
対応アプリ数はZapierが7,000以上、Makeが1,500以上と、ZapierがMakeの4倍以上。マイナーなアプリへの対応もZapierが圧倒的で、Webhook対応はどちらもしっかりしています。
ここはZapierの勝ち。「あのツールと連携したい」と思ったら大抵Zapierにあります。
処理の複雑さ
条件分岐(フィルタ)はZapierだと有料プラン限定ですが、Makeなら無料プランから使えます。ループ処理、エラーハンドリング、データ変換のいずれもMakeの方が柔軟で、複雑なワークフローを組めます。
複雑な処理を組む柔軟性はMakeが圧倒的です。
ビジュアルエディタ
Zapierは縦に並ぶ直線的でシンプルなUI、Makeはモジュールを線で結ぶフロー図に近いビジュアルエディタです。学習コストはZapierのほうが低いですが、Makeに慣れると全体像が把握しやすくなります。
ここはどちらが優れているというより好みの問題。初心者はZapierの方が取っ付きやすく、慣れるとMakeのほうが扱いやすく感じます。
実際のユースケース比較
ケース1: シンプルな通知自動化
やりたいこと: フォーム回答があったらSlackに通知
- Zapier: Trigger → Action の2ステップ。5分で完成
- Make: Module → Module の2ステップ。5分で完成
結論: どちらも同じ。シンプルなケースでは差は出ません。
ケース2: 条件分岐を含む処理
やりたいこと: 金額が10万円以上の注文だけSlackに通知、それ以外はメール通知
- Zapier: Filter(有料プラン)またはPath(Professional以上)が必要
- Make: Router(無料プランでも使える)で簡単に実現
結論: Makeの勝ち。Zapierだと有料プラン必須になる。
ケース3: 複数データの一括処理
やりたいこと: スプレッドシートの全行を読み込んで、各行ごとにAPIを呼ぶ
- Zapier: Loop機能が限定的で、大量データの処理は苦手
- Make: Iteratorで綺麗に処理できる
結論: Makeの勝ち。データ処理はMakeが得意。
推奨される使い分け
Zapierが向いているケース
- マイナーなアプリ(Zapierにしか連携先がない)との接続
- チームメンバーに引き継ぎたい(UIがシンプルで引き継ぎが楽)
Makeが向いているケース
- 条件分岐・ループを含む複雑なロジック
- 数百〜数千件単位の大量データ処理
- コスト最重視の長期運用
移行は可能か
「ZapierからMakeに移行したい」という人も多いでしょう。結論、可能ですが手動作業になります。自動移行ツールはありません。
移行手順:
- 現在のZapをリストアップ
- 優先度の高いものからMakeで再構築
- 1ヶ月並行運用して問題なければZapierを解約
タスク数が多い運用ほど、ZapierからMakeに切り替えたときの月額コスト削減効果は大きくなります。月数百〜数千タスク規模なら、料金が数分の一に下がる試算になることも珍しくありません。
よくある質問
Q1. 無料プランでどこまでできる?
- Zapier無料: 100タスク/月、Zapは5個まで、Filterは使えない
- Make無料: 1,000オペレーション/月、シナリオ数は無制限、分岐も使える
個人の試用ならMakeの無料枠が圧倒的にお得です。
Q2. 日本語対応は?
両方とも日本語UIに対応しています。ただし、一部のドキュメントやエラーメッセージは英語のままです。
Q3. サポートの質は?
どちらも英語中心。Zapierの方がコミュニティが大きく、Stack Overflowなどで情報が見つかりやすいです。
まとめ
- 初めての自動化 → Zapier で始めるのが無難(Zapier使い方ガイド)
- コスト重視 → Make 一択
- 複雑な処理 → Make の柔軟性を活かす
- マイナーツール連携 → Zapier の対応アプリ数を活用
他の自動化ツールも含めて比較したい場合は AI自動化ツール10選 をどうぞ。
どちらも無料プランがあるので、両方試してから選ぶのがベストです。2日もあれば両方のUIに慣れて、自分に合う方が見えてきます。